期間工から正社員になるメリット
期間工から正社員になると様々なメリットがあります。まず、正社員は期間の定めのない雇用契約となりますので、契約更新等をしなくても長く働くことができるようになります。
会社は正社員でも解雇をすることはできるのですが、正当な理由がなければ解雇をすることができません。この正当な理由というものは、労働者側に有利にできているため簡単に解雇することができないのです。
また、正社員となることでさらなるレベルアップや収入アップを見込むことができるようになります。将来の幹部候補としてキャリアを積むことも可能です。待遇の方も最初は、正社員と期間工であまり差がありませんが、長く働けば働くほど給与が増えますので、長期的に見て正社員の方が期間工よりも大きく稼ぐことができるようになります。
期間工から正社員登用されるには何が必要?
期間工は希望すれば誰もが正社員になれるわけではありません。優秀な期間工が選ばれて正社員登用されることになります。優秀な期間工として認められ正社員登用されるためには、期間工としての勤務実績や職場の上司の推薦等が必要となってきます。
1年以上働く
まず、期間工として一定期間継続して働かなければなりません。働き始めて数カ月での社員登用はほぼないといっても間違いないでしょう。少なくとも1年以上継続して働かないと正社員登用試験の受験資格が得られない場合が多いです。正社員登用した後も、きちんと長く働くことができるかどうかを見極める指標となるからです。
上司からの推薦
期間工が正社員登用試験を受けるためには、職場の上司の推薦が必要になります。職場の上司がこの人であれば正社員にしても大丈夫というお墨付きが必要となってきます。
期間工として働いていると、普段から職場の上司と接する機会が多いので、しっかりとアピールしておきましょう。あらかじめ、正社員登用希望の旨を表明しておいても良いかもしれません。
また、職場の上司は期間工を正社員登用しても良いかどうかという目でも見ています。職場の上司が他の職員に話を聞いたりする等、普段見られてないと思われがちな面も、きちんと見られていたりしますので気をつけておきましょう。
無遅刻、無欠勤
正社員登用されるためには、勤勉さも重要な判断材料となります。無遅刻、無欠勤が原則です。ただし、やむを得ない理由で遅刻や欠勤をする場合は考慮されることもあるでしょう。正社員登用を目指している期間工は、どうしても遅刻や欠勤をしなければならないような場合は早めに連絡をしておきましょう。
やむを得ず遅刻や欠勤をしてしまった場合でも、きちんとお詫びをする等のフォローも大事になってくるでしょう。
コミュニケーション力
正社員登用されるためには、コミュニケーション能力も必要となってきます。正社員の仕事は、期間工と同じような単純作業に終始するのではなく、職場の改善をしたり意見を発表したりする機会が増えていきます。
チーム全体で取り組む仕事や目標等もありますので、コミュニケーション能力は大変重要な鍵となってきます。普段から周りの人と積極的にコミュニケーションを取るように心掛けていきましょう。
正社員になるための試験とは
職場の上司に認められたからといって、すぐに正社員になれるわけではありません。正社員になるためには、正社員登用試験を受ける必要があります。正社員登用試験は、面接と筆記試験で合否を判断することになります。
面接
面接は、個人面接ではなく集団面接となるケースが多いです。周りの人も期間工から正社員登用を目指す人ですので少し緊張するかもしれませんね。面接では自信を持って、やる気や意気込みを存分に表明していきましょう。
面接では、期間工として働きながら得た学びや自分が一番がんばっていること、職場に対する積極的な意見等を聞かれます。面接が決まったら、面接に向けてしっかりと準備しておきましょう。
筆記試験
筆記試験では簡単な国語と数学の問題が出されます。特に対策等は必要ないと思われますが、中学生レベルのものですので、不安な人は中学生時代の参考書等を利用して勉強しておきましょう。
一般的な教養を問うものですので、そこまで高い点数を取る必要はありません。しかし、著しく点数が低い場合では、筆記試験で落とされる可能性もありますので注意しておきましょう。
正社員登用試験の倍率はどれくらいなのか?
トヨタ自動車の場合、正社員登用実績は年間で350人前後となっており、正社員登用試験受験者数は3000人から5000人程います。トヨタ自動車の場合、正社員登用試験の合格倍率は正社員登用実績等から推測すると、約10倍から15倍程度と推測されます。
かなり狭き門となってしまっていることがうかがえると思います。他のメーカーでも、正社員登用試験の倍率は高くなっている傾向にあります。
短期的には給料が期間工よりも低くなる場合も
期間工はベースの賃金が高い状態で始まっていますので、社員登用されると給料が一時的に下がってしまうこともあります。また、寮費の負担を求められたり組合費等の給料から引かれるものも増えてきますので、手取り収入が減ってしまうこともあります。
しかしながら、正社員は毎年昇給していきますし、業績が上がればボーナスもたくさんもらうことができるようになります。また、役職等が付きますと給料は大きく跳ね上がります。退職金等の福利厚生も充実しており、長期的に見れば正社員のほうがもらえる給料の総額が高くなります。
人気メーカー正社員の登用状況
人気メーカーの正社員登用状況を以下にまとめてみます。自分が受けたい企業を決める際に活用してみてください。中には正社員になりにくい企業もありますので注意して見てみましょう。
トヨタ
トヨタ自動車の場合、過去3年間で年間平均約350人程度の社員登用を行っています。過去3年間の採用実績から推定すると、採用倍率は約10倍から15倍です。採用人数は多いのですが、希望者も多いためこのような倍率になります。
トヨタは年々、期間工の正社員登用を増やしてきていますのでチャンスは拡大傾向にあるということができるでしょう。
ホンダ
ホンダは、以前は期間工から正社員になることが難しい企業として知られていました。しかし、現在では人手不足の影響もあり徐々に正社員登用を行うようになってきています。
正社員登用されるケースが少なかったため過去のデータがありませんでしたが、2017年では約150人が正社員登用されています。ただし、ホンダの場合は年齢制限等の厳しい制限がありますので注意しておきましょう。
デンソー
デンソーの場合、過去3年間で年間平均約80人程度の社員登用を行っています。期間工の社員登用の中では比較的少なくなってしまいます。デンソーは期間工の中でも人気企業ですので、倍率は約20倍から30倍程度まで上がってしまうでしょう。
アイシン
アイシンAW時代の話ですが、過去3年間で年間平均約300人程度の社員登用を行っていました。アイシンも人気企業ですが、期間工の正社員登用に積極的な企業です。過去3年間の実績から推定すると採用倍率は約8倍から12倍程度となるでしょう。幅広い年齢層からの登用実績があります。
マツダ
マツダも比較的期間工の正社員登用に積極的で、過去3年間で年間平均約300人程度の社員登用を行っています。マツダも期間工から正社員登用に力を入れており、推定倍率も約8倍から12倍程度でしょう。こちらも幅広い年齢層からの登用実績があります。
日産
日産は期間工の正社員登用に消極的です。日産で、期間工から正社員になることはまれなケースということができるでしょう。正社員登用に積極的に取り組んでいませんので正社員登用に関するデータはありませんでした。
しかし、グループ会社である日産九州では20代であれば日産グループの中では積極的に随時正社員登用のチャンスを与えています。20代の人で日産グループの正社員を目指したい人は、日産九州を狙うことも一つの手です。
以上のことから、アイシンAWやマツダは比較的正社員になりやすいメーカーということができるでしょう。トヨタがだいたい平均値といったところでしょうか。デンソーはやや正社員登用への門戸が狭く、ホンダや日産はかなり正社員登用されることが難しい企業ということができるでしょう。正社員の登用実績や状況は時代によって変わることもありますので注意しておきましょう。
期間工から正社員になることは、様々なメリットがあります。そのため、毎年多くの期間工が正社員登用を目指しているのです。しかし、正社員登用をされることは狭き門となっており、簡単ではないことが現実です。正社員登用を目指す人は、普段から一生懸命仕事に取り組み職場の人や上司に積極的にアピールしていくことが重要です。
ただし、希望すれば誰もが正社員になれるわけではありません。正社員になりやすい会社となりにくい会社がありますし、期間工の中でも優秀な期間工だけが正社員になることができるのです。期間工から正社員になりたい人は、どうすれば正社員になることができるのか気になりますよね。
この記事では、期間工から正社員になるメリットや正社員登用されるために必要なもの、各企業の正社員登用実績等について解説していきます。